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【2025年受験対策】京都市教員採用試験の小論文!過去問と書き方解説

京都市教員採用試験の小論文

「京都市教員採用試験の小論文対策って何から始めたらいいの…?」
「試験時間が短いって聞くけど、本当に書ききれるか不安…」

本記事では、そんなお悩みを持つあなたのために、2025年(令和7年)夏に実施される、2026年度(令和8年度)採用京都市教員採用試験の小論文に関する情報を網羅した完全ガイドをお届けします。

具体的には、最新の試験傾向や過去5年分のテーマはもちろん、多くの受験者がつまずきがちな「合格レベルの答案を書くための具体的な対策法」まで、余すところなく解説しています。

この記事を最後まで読めば、京都市教員採用試験の小論文で評価されるポイントがわかり、今日から何をすべきかが明確になります。

小論文を得点源にして、合格をぐっと引き寄せましょう!

【重要】試験年度の表記について

教員採用試験は「試験の実施年」と「採用される年度」が異なるため、少しややこしいですよね。この記事では、あなたの混乱を防ぐため、以下のように表記を統一します。

  • この記事のターゲット:2025年(令和7年)夏に実施される試験
  • 採用年度:上記試験は、令和8年度(2026年度)からの採用を指します

過去問の表記も「〇〇年に実施された試験」という基準で記載していますので、ご自身の受験年と照らし合わせてご確認ください。

目次

京都市教員採用試験 小論文の概要

京都市教員採用試験の小論文は、第二次選考で行われます。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。

試験時間40分
課題数2題
文字数課題Ⅰ:600字程度
課題Ⅱ:200字程度
評価基準・主題や課題の理解
・論述の仕方や視点
・構成や表現力
配点20点満点

文字数と試験時間

文字数は制限があり、課題1は600字、課題2は200字以内で書かなければなりません。対する試験時間は合わせて40分なので、文字数に対する試験時間が極めて短いのが京都市の特徴です。

日頃からこの時間配分を意識して、過去問に最低でも3〜5テーマは取り組んでおくことを強くオススメします。

また、書いた答案はプロに添削してもらうのが、自分の弱点を知り、合格レベルへ引き上げるための一番の近道です。


以下の記事でオススメの添削サービスを比較・紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

出題形式

出題数は2題ですが、校種によってテーマが異なります。

出題形式は、教育問題や学校教育の在り方に関する課題を扱うテーマおよび教職員の不祥事(事例)に対する対応が出題される傾向にあります。京都市の教育施策に関するテーマも出る場合があるので、京都市の資料も読みこんでおくといいでしょう。

評価基準・配点

小論文は以下の観点に沿って評価します。

  • 主題や課題の理解
  • 論述の仕方や視点
  • 構成や表現力

最終的に20点満点で採点されますが、著しく点数が低いと即不合格です。

評価が悪くなる理由としては、テーマの把握ができていなかったり、文字数が少ないだったりすることが挙げられます。また、字が汚い(丁寧であればOK)、誤字脱字が多いっていうのもよくないので、注意しながら書きましょう。

小論文の過去問

京都市教員採用試験における小論文の過去問を紹介します。

2024(令和6)年実施

課題Ⅰ

京都市では,令和6年度《学校教育の重点》で『第4章「生きる力」を育む15の取組』の中で「5.LD等支援の必要な子どもの学力向上」を掲げています。あなたなら,LD等支援の必要な子どもの学力向上を図るため,学校組織の一員である担任として,どのような実践をしていきますか。あなたの考えを具体的に論述しなさい。

課題Ⅱ

 児童・生徒思いで,熱心に児童・生徒と関わる新規採用のA教諭のクラスには多動で感情が高まるとすぐ手が出てしまう児童・生徒であるBがいた。初めての担任であり,学年主任や管理職から助言・指導をもらいながらBへの関わりも含め学級経営や授業力の向上に努めていた。A教諭は,ある日Bが興奮して他の児童·生徒に手を出そうとしている場面に出くわしたため,とっさにBを抱きしめ手が出ないようにしたがBはそれをふりほどこうと,もがきながら暴言を吐き,唾を吐きかけてきたので,A教諭は思わずBの頭を叩いてしまった。教諭Aの行為が不適切である理由を明確にしたうえで,この件が及ぼす影響と,この事案を防ぐためにはどうすれば良かったか,あなたの考えを具体的に述べなさい。

2023(令和5)年実施

課題Ⅰ

 京都市では、令和5年度〈学校教育の重点〉で『第4章「生きる力」を育む15の取組』の「2.基礎的・基本的な知識・技能の習得と言語活動の充実」を掲げています。あなたなら、言語活動の充実のため、学校組織の一員である担任として、どのような実践をしていきますか。あなたの考えを具体的に論述しなさい。

課題Ⅱ

 教師Aは、自宅のパソコンで編集作業を行うため児童の氏名・住所・成績が入力されたデータを自身のUSBメモリーに保存し、職員室から持ち出した。その後、教師Aは帰宅途中、スーパーマーケットの駐車場に車を停めて買い物をしていたところ、車上荒らしにあい、カバンから、USBメモリーを入れたケースが盗まれていた。教師Aの行為が不適切である理由を明確にした上で、この件が及ぼす影響と、この事案を防ぐためにはどうすれば良かったか、あなたの考えを具体的に述べなさい。

2022(令和4)年実施

課題Ⅰ

 京都市では、令和4年度《学校教育の重点》で「第2 章 全教職員で進める学校園づくり 5つの柱」の一つとして『よりそい』~多様な子どもを誰一人取り残さない教育を進める~を掲げています。あなたなら、この柱の実現に向け、学校組織の一員である担任として、どのような取組を実践していきますか。あなたの考えを具体的に論述しなさい。

課題Ⅱ

A教諭は、新年度に向けて次の担任へ引継ぎを行うために、児童生徒や家庭環境の様子、配慮すべきこと等をまとめたノートを教室内の教師の机の上に置いていた。年度末に引継ぎが終わったころ、A教諭が担任しているBさんの保護者が、「うちの子が、先生が自分の悪口をノートに書いていたと泣きながら帰ってきた。」「先生はうちの子のことをそんなふうに見ていたのか。」「重要な書類等の管理はどうなっているのか。」と激怒し、学校に来た。A教諭の行為が不適切である理由を明確にしたうえで、その行為が及ぼす影響と防止策についてあなたの考えを具体的に述べなさい。

2021(令和3)年実施

課題Ⅰ

 京都市では、令和3年度《学校教育の重点》で「令和3 年度 重視する視点」を『子どもの「主体性」と「社会性」の育成を目指し、「自ら学ぶ力」と「自ら律する力」を学校・幼稚園全体の教育活動の中で高める』としています。あなたは、小学校期における「自ら学ぶ力」をどのように捉え、子どもたちの「自ら学ぶ力」を高めるためにどのような実践を行っていきますか。あなたの考えや取組を具体的に論述しなさい。

課題Ⅱ

 ある教諭は一旦帰宅し、自宅から路線バスを使い外食に行く予定にしていたが、校務終了が遅くなり、職場からそのまま自転車で向かうことにした。距離はあるものの歩いて帰れる距離と判断し、食事と共に少し飲酒もした。食事が終わり、自転車を押して歩いて帰宅していたが、自宅近くまで帰ってきたときに急に雨が降り出し、急ぎ帰るために自転車に乗ることにした。夜道と雨のために視界が悪く、歩いている人と接触してけがをさせてしまった。この行為の何が非違行為に当たるか明確にした上で、この不祥事が及ぼす影響と、この事案を防ぐためにはどうすれば良かったか、あなたの考えを具体的に述べなさい。

2020(令和2)年実施

課題Ⅰ

 京都市では、令和2年度『学校教育の重点 第4章「生きる力」を育む15の取組』の中に「規範意識の育成」を掲げています。あなたなら、子どもたちに「規範意識」を育てるために、担任としてどのような実践を行っていきますか。あなたの考えを具体的に論述しなさい。

課題Ⅱ

 教員の不祥事には、教員と児童生徒がSNSで直接やり取りを行ったことに起因するものがあります。こうしたことを踏まえ、このようなSNSのやり取りが及ぼす影響について、あなたの考えを具体的に述べなさい。

小論文を攻略する3つの対策ポイント

京都市の小論文は、試験時間が40分と短い上に、教育施策に関する深い理解と、教員としての高い倫理観が問われるのが特徴です。

過去問を分析すると、合格点を取るためには、次の3つのポイントを押さえた対策が欠かせません。

対策1:頻出2大テーマ(教育施策・不祥事)の「型」を準備する

京都市の小論文は、課題Ⅰで「市の教育施策に関する考え」、課題Ⅱで「不祥事への対応」を問う形式が定着しています。

それぞれ、あらかじめ論理的な文章構成の「型」を準備しておくことで、本番で焦らず、説得力のある答案をスピーディーに作成できますよ。

課題Ⅰ:教育施策テーマの構成案

課題Ⅰでは、京都市が示す教育方針や資料(「学校教育の重点」など)を踏まえ、自身の考えを述べる力が求められます。以下の構成で書く練習をしましょう。

  1. 【序論】課題の理解と方向性の提示
    • テーマで問われている京都市の教育課題(例:「LD等支援の必要な子どもの学力向上」)の重要性を簡潔に述べます。
    • その課題に対し、自身がどのような立場で、どのような実践を目指すのかを明確に示します。
  2. 【本論】具体的な実践内容
    • 提示した実践内容を具体的に記述します。「学級経営」「授業」「他者との連携」など、複数の視点から述べられると、多角的な思考力をアピールできます。
    • 「なぜその実践が課題解決に繋がるのか」という根拠を、自身の経験や教育理念と結びつけて説明しましょう。
  3. 【結論】実践の成果と今後の抱負
    • 提案した実践を通して、子どもたちや学校にどのような良い影響(成果)が期待できるかを述べます。
    • 最後に、京都市の教員として、継続的に学び、貢献していきたいという意欲を示して締めくくります。

課題Ⅱ:不祥事テーマの構成案

課題Ⅱは、事例に基づき、不適切な行為の理由、及ぼす影響、防止策を述べる形式です。文字数は200字程度と少ないため、要点を的確にまとめる必要があります。

  1. 不適切な理由の明確化
    • 「個人情報の不適切な持ち出しであり、地方公務員法の守秘義務に反する」「児童生徒との私的なSNSのやりとりは、公私混同であり、特別の利害関係を生む危険性がある」など、行為の問題点を法令や服務規程に触れながら端的に指摘します。
  2. 及ぼす影響
    • 「児童生徒や保護者、地域住民の学校教育に対する信頼を著しく損なう」「被害を受けた児童生徒に精神的な苦痛を与える」など、多方面への悪影響を述べます。
  3. 具体的な再発防止策
    • 「個人情報は校内規定に従い、許可なく持ち出さない」「校内研修に参加し、服務規律の遵守を徹底する」「同僚間で相互にチェックし合う職場風土を作る」など、個人と組織の両面から具体的な防止策を提示します。

対策2:京都市の重要資料は必読!ポイントを絞って読み解こう

小論文、特に課題Ⅰで説得力のある論述をするには、京都市の教育施策への理解が不可欠です。

中でも、「京都市学校教育の重点」は最重要資料。必ず公式サイトから最新版をダウンロードし、読み込んでおきましょう。

京都市教育委員会:「学校教育の重点

とはいえ、全てのページを丸暗記する必要はありません。 特に以下のポイントに注目して、自分ならどう実践するかを考える際のヒントにしましょう。

  • その年度の「重視する視点」
  • 「生きる力」を育む15の取組
  • 自分が受験する校種で、特に強調されている項目

これらの内容を自身の言葉で説明したり、自身の教育実践と結びつけたりできるよう整理しておくと、他の受験者と差がつく、深みのある答案になりますよ。

対策3:40分で書き切るための時間配分トレーニング

京都市の小論文は、試験時間40分に対して、課題Ⅰ(600字程度)と課題Ⅱ(200字程度)の合計800字程度を書き上げる必要があり、時間との戦いです。

本番で実力を出し切るために、過去問を使って時間を計りながら書くトレーニングを繰り返しましょう。

以下に時間配分のモデルを提案します。ぜひ参考にしてください。

  • ① 構成メモの作成(5分)
    • いきなり書き始めるのではなく、まずは課題Ⅰ・Ⅱそれぞれの骨子をメモします。ここで論理の流れを固めることが、結果的に執筆時間の短縮に繋がります。
  • ② 課題Ⅰの執筆(25分)
    • 最も配点の高い課題Ⅰに時間をかけます。600字程度、9割以上の文字数を目標に、構成メモに沿って具体例を盛り込みながら書き進めます。
  • ③ 課題Ⅱの執筆(10分)
    • 課題Ⅱは要点を簡潔にまとめることが重要です。200字程度の中で、問われている3点(不適切理由、影響、防止策)を漏れなく記述しましょう。

この時間配分はあくまで一例です。ご自身が最も書きやすいペースを見つけるためにも、何度も練習してみてくださいね。


より普遍的な小論文の型や、文章作成のテクニックを基礎から学びたい方は、下記の記事をご覧ください。

まとめ:小論文対策は、早期準備と添削が大事

今回は、京都市教員採用試験の小論文について、最新の傾向過去問、そして具体的な3つの対策ポイントを詳しく解説しました。

  • 傾向の把握:試験時間40分、課題Ⅰ(教育施策)・課題Ⅱ(不祥事対応)の形式を理解する。
  • 過去問の分析:「市の教育重点」の理解と、服務規律への意識が問われることを知る。
  • 具体的な対策:頻出テーマの「型」を準備し、時間を計って書く練習を繰り返す。

教員採用試験の小論文は、ただ過去問を眺めるだけでは決して上達しません。大切なのは、実際に自分の手で答案を書き、それを客観的な視点で評価してもらうことです。

答案を書いても誰にも見せないのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じ。せっかくの努力を無駄にしないためにも、ぜひ第三者による添削を活用し、自分の答案を磨き上げてくださいね。

小論文が原因で不合格になることのないよう、早速今日から準備を始めましょう!
この記事が、あなたの合格への一助となれば幸いです。

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