香川県教育委員会は2025年8月5日、令和8年度(2025年実施)香川県教員採用試験における第一次選考試験の合格者を発表しました。
この記事では、本日発表された一次試験の結果を、前年度と比較しながら詳しく分析・解説していきます。
香川県の教員志望者は参考にしてください。
過去の実施状況はこちらの記事でまとめています。
【令和8年度】香川県教員採用試験の一次試験結果
結論から言うと、令和8年度香川県教員採用試験 一次試験の倍率は約1.6倍(通常受験)、約1.8倍(大学3年次受験)でした。
データを基にさらに詳しく見ていきましょう。
全体の結果
| 選考区分 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 通常受験 | 1,069 (1,177) | 657 (672) | 1.6 (1.8) |
| 大学3年次 | 238 (240) | 132 (96) | 1.8 (2.5) |
*( )内は昨年度(令和7年度)の数値
校種別の結果
(通常受験)
| 校種 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 311 (348) | 247 (252) | 1.3 (1.4) |
| 中学校 | 269 (344) | 199 (226) | 1.4 (1.5) |
| 高校 | 252 (259) | 111 (115) | 2.3 (2.3) |
| 特別支援学校 | 60 (62) | 48 (46) | 1.3 (1.3) |
| 養護教諭(小中) | 78 (73) | 23 (14) | 3.4 (5.2) |
| 養護教諭(高特) | 79 (71) | 23 (14) | 3.4 (5.1) |
| 栄養教諭 | 20 (20) | 6 (5) | 3.3 (4.0) |
*( )内は昨年度(令和7年度)の数値
大学3年次先行受験
| 校種 | 受験者数 | 通過者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 83 (114) | 45 (37) | 1.8 (3.1) |
| 中学校 | 92 (74) | 45 (29) | 2.0 (2.6) |
| 高校 | 33 (33) | 21 (16) | 1.6 (2.1) |
| 特別支援学校 | 11 (9) | 8 (8) | 1.4 (1.1) |
| 養護教諭(小中) | 13 (5) | 6 (3) | 2.2 (1.7) |
| 養護教諭(高特) | 4 (5) | 6 (3) | – (1.7) |
| 栄養教諭 | 2 (0) | 1 (0) | 2.0 (0) |
*( )内は昨年度(令和7年度)の数値
*大学3年次・養護教諭(高特)は公式発表の数値を記載していますが、受験者数を通過者数が上回っているため倍率は算出していません。
ここまで令和8年度の一次試験結果を速報値としてお伝えしました。しかし、単に数字を眺めるだけでは見えてこない、重要な変化や傾向があります。
ここからは、これらのデータを深掘りし、昨年度との比較も交えながら、今年の香川県教員採用試験から読み取れる「未来への潮流」を分析していきます。
過去の実施状況はこちらの記事でまとめています。
【分析】一次試験の結果から見える3つの注目ポイント
令和8年度の試験結果を多角的に分析すると、香川県教育委員会がどのような人材を求め、どのような教育の未来を描いているのかが浮かび上がってきます。
特に、「人材確保の早期化」「専門職の採用動向の変化」「主要校種の採用状況」という3つの大きな潮流が見て取れました。一つずつ、詳しく見ていきましょう。
① 大学3年生選考、合格者1.4倍で門戸拡大へ
今回最も注目すべきは、大学3年次先行受験の動向です。
通過者数が昨年度の96名から132名へと1.4倍近く増加し、全体の倍率は2.5倍から1.8倍へと大幅に緩和されました。特に、小学校(3.1倍→1.8倍)や中学校(2.6倍→2.0倍)での緩和が顕著です。
これは、優秀で意欲の高い学生を早期に確保したいという県の明確なメッセージであり、次年度以降に本採用試験を受験する学生にとって大きなチャンスと言えるでしょう。
② 超難関の養護教諭、倍率は大幅緩和も依然として狭き門
校種別に見ると、昨年度5倍を超えていた養護教諭の採用状況に大きな変化がありました。
合格者数が(小中)・(高特)ともに昨年度の14名から23名へと大幅に増員された結果、倍率は5倍台から3.4倍へと大きく緩和されています。
とはいえ、全体の倍率1.6倍と比較すると依然として2倍以上の高倍率であり、専門職としての人気の高さは健在です。合格枠の拡大は、来年度以降の受験生にとっても朗報と言えそうです。
③ 小・中学校で倍率緩和進む。高校は横ばいで採用安定か
主要校種である小学校・中学校では、倍率の緩和傾向が続いています。小学校は1.4倍から1.3倍へ、中学校は1.5倍から1.4倍へと、それぞれ倍率が低下しました。
これは、退職者数の増加などを背景に、県が引き続き多くの教員を必要としていることの表れです。一方で、高校は昨年度と同じ2.3倍で、安定した採用状況が続いています。
まとめ:分析結果から見る今後の香川県教員採用試験の予想
本記事では、令和8年度香川県教員採用試験の一次試験結果を、昨年度との比較を交えながら分析してきました。
今回の結果から浮かび上がってきたのは、以下の3つの明確なトレンドです。
- 人材確保の早期化:大学3年次選考の合格者増と倍率緩和は、意欲の高い学生を早い段階で確保したいという県の強い意志の表れです。
- 専門職の採用増:超難関だった養護教諭の合格枠が拡大。専門性を持つ人材への需要が高まっている可能性があります。
- 小・中学校の採用意欲:倍率緩和が続く小・中学校は、受験生にとって引き続きチャンスが大きい状況が続くと予想されます。
これらのトレンドは、来年度以降の香川県教員採用試験を目指す方々にとって、極めて重要な指針となります。
特に大学3年生にとっては、早期の挑戦がこれまで以上に有利になる可能性が高いでしょう。また、専門性を磨くことや、採用ニーズの高い校種を戦略的に選択することが、合格への鍵となりそうです。
なお、今回の一次試験を通過した受験者は、8月16日(土)から24日(日)に行われる二次試験に臨みます。最終的な合格発表は9月中旬の予定です。
変化の中にある香川県の教育現場が、どのような新しい才能を迎えるのか、その動向に今後も注目していきたいと思います。
