秋田県の教員採用試験、二次試験の個人面接を控えている皆さん。
「どんな質問をされるのだろう?」
「どう答えれば、自分の熱意が伝わるのだろう?」
といった不安を抱えていませんか。
この記事では、過去の面接で実際に問われた質問内容を徹底分析し、それぞれの質問にどう答えるべきか、具体的なポイントを解説します。
面接官が何を知りたいのか、その意図を理解すれば、自信を持って面接に臨めますよ!
秋田県教員採用試験 個人面接(専門面接)の概要
秋田県教員採用試験の面接は二次試験で行われます。
実施内容は専門面接(口頭試問)と模擬授業の2本だてとなっています。
試験形式と評価のポイント
秋田県の専門面接は、個人面接形式で実施されます。
面接官は3名で、試験時間は約20分です。
特徴的なのは、テーマについて30秒で考えをまとめ、2分間で発表する場面指導の質問が出されること。
福永受験者によって「あったり」「なかったり」しているので、ある前提で練習しておくと良いですね!小学校や高校は比較的ある傾向が強いです!
この形式から、面接官はあなたの論理的に考えをまとめ、簡潔に分かりやすく話す力を重視していることがわかります。
面接では、提出書類等と併せて総合的に判断され、秋田県が求める教師像にふさわしいかどうかが評価されます。
「求める教師像」が評価の土台
秋田県が教員採用において最も重要視しているのは、「秋田県が求める教師像」に合致しているかどうかです。
これは選考の根本規準とされており、以下の5つの要素が挙げられています。
- 教育者としての強い使命感と高い倫理観を身に付けている(使命感・倫理観)
-
教師という仕事への情熱や、責任感、規範意識が求められます。
- 協調性と豊かなコミュニケーション能力を有している(人間関係形成力)
-
児童生徒だけでなく、保護者や同僚、地域の方々との良好な関係を築ける力が重要です。
- 教育的愛情にあふれ、児童生徒の心身の状況を踏まえ、受容的・共感的に理解ができる(教育的愛情と共感的理解)
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一人ひとりの子どもに寄り添い、その気持ちを理解しようとする姿勢が評価されます。
- 個性豊かでたくましく、常に学び続ける探究力を有している(豊かな人間性と探究力)
-
自ら学び続け、新しいことに挑戦する意欲があるかどうかが問われます。
- 教科等に関する深い専門的知識と広く豊かな教養を身に付けている(教科等指導の専門的知識)
-
担当する教科の知識はもちろん、幅広い教養と、それを実践に活かす指導力が求められます。
これらの要素は、面接の質問の意図を理解し、回答を組み立てる上での大切な指針となります。
常にこの「求める教師像」を意識して準備を進めましょう。
【分野別】秋田県教員採用試験 専門面接 頻出質問と回答のポイント
過去の質問項目を分析すると、面接官が知りたいことは大きく5つの分野に分けられます。
それぞれの分野について、質問項目と回答のポイントを見ていきましょう。
1. 教師としての使命感・人間性に関する質問
この分野では、あなたの教育に対する情熱や人間性が問われます。
秋田県が求める教師像である「教育者としての強い使命感と高い倫理観」、「教育的愛情にあふれ、児童生徒の心身の状況を踏まえ、受容的・共感的に理解ができる」、「個性豊かでたくましく、常に学び続ける探究力を有している」といった側面が特に評価されるポイントとなります。
▼具体的な質問例
- 「小学校の教師としてどのような学級目標をつくるか、達成するための工夫は?」
- 自分が教師に向いていると思うところは?
- 職員室にいるときに大切にしたいことは?
- 自分の悪口を言われたらどう対応するか?
- 教師がSNSを利用することへの考えは?
【回答のポイント】
単に「子どもが好き」と述べるだけでなく、なぜそう思うのか、これまでの具体的な経験や教育実習での出来事を基に語りましょう。例えば、児童生徒との関わりの中で教育的愛情を実感したエピソードなどを盛り込むと、より説得力が増しますね。
また、教師のSNS利用については、教育公務員としての高い倫理観を持ち、児童生徒や保護者、学校への信頼を損ねないよう細心の注意を払う必要があることを述べましょう。
情報発信の際は公共性を意識し、プライバシー保護や情報セキュリティに関する意識の高さを示すことが重要です。個人の憶測ではなく、学校や教育委員会のガイドラインに沿って行動する姿勢を強調しましょう。
2. 授業力・指導力に関する質問
ここでは、あなたの指導力や授業を改善していく意欲が評価されます。
秋田県が特に重視する「確かな学力の育成」や「“「問い」を発する子ども”の育成」といった教育課題への理解と、具体的な実践に繋げる力が問われるでしょう。
▼具体的な質問例
- 模擬授業の感想、足りないと思うところは?
- 模擬授業を10点満点で採点すると何点か?その理由は?
- 授業中に立ち歩く児童への対応は?
- 言語活動を積極的にするための手立ては?
- 自分から発表できない子にどんな手立てを行うか?
【回答のポイント】
秋田県は「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を推進しています。質問に対しては、この視点を取り入れ、児童生徒が自ら考え、他者と対話し、より深く学ぶための具体的な工夫を述べましょう。
模擬授業の感想を求められた際は、良かった点だけでなく、課題点を客観的に分析し、今後どのように改善していきたいかを具体的に語ることで、常に学び続ける「探究力」と改善への意欲を示しましょう。
児童生徒のつまずきや反応から課題を発見し、粘り強く取り組む姿勢をアピールすることが大切です。
3. 秋田県の地域性・教育施策に関する質問
県外の大学出身者など、なぜ秋田県で教員になりたいのか、その熱意と覚悟が問われます。
秋田県への深い理解と、県の教育方針に共感し、貢献したいという意欲を示すことが重要です。
▼具体的な質問例
- 秋田県を受けた理由は?
- 秋田県の教育指針についての考えは?
- 併願はしているか?
- 勤務地はどこでも可能か?
【回答のポイント】
秋田県は、令和7年3月に「第4期あきたの教育振興に関する基本計画」を策定しています。この計画では、「ふるさとを愛し、社会を支える自覚と高い志にあふれる人づくり」を目指す姿として掲げ、「地域に根ざしたキャリア教育の充実」と「“「問い」を発する子ども”の育成」を最重点の教育課題としています。
また、「教育DXの推進」も横断的に取り組む重点施策として挙げられています。これらの重点項目や、その他「確かな学力の育成」、「誰一人取り残すことなく全ての子どもたちの可能性を引き出す教育の推進」といった基本方針を具体的に把握しておきましょう。
秋田県の教育方針や現状の課題(例:人口減少・少子高齢化、ICT活用指導力の地域差、不登校児童生徒の増加など)を踏まえ、その中で自分がどのように貢献できるのかを具体的に述べることが重要です。
「秋田の教育に魅力を感じた」だけでなく、「私の〇〇という強みを活かし、秋田の子どもたちのために△△に取り組みたい」という具体的な意欲を示しましょう。
4. 危機管理・保護者連携に関する質問
学校現場で起こりうる様々な問題に対し、冷静かつ組織的に対応できるかが試されます。
特に、児童生徒の安全確保や、保護者・地域との協力体制を築く「学校・家庭・地域の連携・協働の推進」という秋田県の教育方針への理解が問われるでしょう。
▼具体的な質問例
- クレームへの対応は?
- 不審者への対応について、職員室の一員として何をするか?
- いじめ、不登校を未然に防ぐためにできることは?
【回答のポイント】
保護者からのクレームや不審者対応など、個人の判断で対応するのは危険です。必ず管理職に報告し、学校全体として組織的に対応する方針を明確に述べましょう。
秋田県では「あきた型学校評価システム」の推進や「学校安全の質の向上を図るための学校訪問による指導」に取り組んでおり、これらは学校が組織として危機管理に当たることを示しています。
また、秋田県は「地域社会全体で子どもの成長を支える体制の構築」を推進しています。
不審者対応やいじめ・不登校の未然防止においても、地域住民や関係機関(警察、医療機関、福祉機関など)との日頃からの連携・協働が不可欠であることを述べると、秋田県の教育方針への理解を示すことができます。
5. 現代の教育課題・自己研鑽に関する質問
日頃から教育に関するニュースや社会の動きに関心を持っているかが問われます。また、教員として常に学び続け、自身の資質能力を高めていく意欲があるかどうかも評価されるポイントです。
▼具体的な質問例
- 最近のニュースで気になる話題は?
- 今、自分自身を高めるために実践していることは何か?
- 教員の不祥事についてどう考えているか?
【回答のポイント】
気になるニュースとして、単に社会的な話題を挙げるだけでなく、それが秋田県の教育や子どもたちにどのような影響を与え、教師としてどう向き合っていくべきか、教育との関連性を意識して自分の考えを述べましょう。
具体的には、秋田県が「第4期あきたの教育振興に関する基本計画」で横断的に取り組む重点施策として挙げている「教育DXの推進」や、Society 5.0時代に対応した人材育成に関するニュース、あるいは「多様性と包摂性のある社会の実現に向けた教育の推進」といったテーマに触れるのも良いでしょう。
秋田県は「学び続ける秋田の教師」を掲げ、「秋田県教職キャリア指標」に基づいた教職員研修の充実に取り組んでいます。教員になった後も自身の指導力を高め、教育課題に対応していく意欲は非常に重要です。
教育関連の書籍や論文を読んだり、オンライン研修に参加したり、ボランティア活動を通して子どもと関わったりと、自己研鑽のために実践していることを具体的に話せるようにしておきましょう。
より詳しい過去の質問項目や対策のポイントを下記の記事でまとめています。あわせてご覧ください。
面接に向けて、今日からできること
過去の質問項目や回答のポイントを把握したら、いよいよ面接練習を行います。
ここでは、面接対策として今すぐできることを3つ紹介します。
自己分析を深める
なぜ教師になりたいのか、教師としてどのような教育を実現したいのか、そして自分のどのような強みが秋田県の教育に貢献できるのかを、具体的なエピソードと共に語れるように整理しましょう。
特に、秋田県が求める教師像の5つの要素(使命感・倫理観、人間関係形成力、教育的愛情と共感的理解、豊かな人間性と探究力、教科等指導の専門的知識)に照らし合わせ、自身の経験をどのように結びつけるかを深く考えることが重要です。
秋田県の教育を深く知る
秋田県教育委員会のウェブサイトは、教員採用試験対策の宝庫です。特に以下の情報は必ず目を通し、理解を深めておきましょう。
これらの情報は、秋田県教育委員会の公式ウェブサイト「美の国あきたネット」からダウンロードできます。
(参考:秋田県教育委員会公式Webサイト「美の国あきたネット」: https://www.pref.akita.lg.jp/pages/education)
- 「第4期あきたの教育振興に関する基本計画」:秋田県が今後5年間(令和7年度から令和11年度まで)で目指す教育の方向性や重点施策が詳細に記されています。最重点の教育課題である「地域に根ざしたキャリア教育の充実」や「“「問い」を発する子ども”の育成」、横断的に取り組む重点施策である「教育DXの推進」などを把握し、自身の教育観と関連付けて語れるように準備しましょう。
- 「秋田県が求める教師像」:面接の評価基準となる根本規準です 。各要素を具体的に理解し、自身の強みや経験と結びつけてアピールできるよう準備を進めましょう。
- 「秋田県教職キャリア指標」:教員としての成長段階や求められる能力が示されており、自己研鑽の方向性を考える上で参考になります。
- 最新の「教諭等採用候補者選考試験実施要項」:試験内容や評価の観点など、詳細な情報が記載されています。
模擬面接を繰り返す
大学のキャリアセンターや、予備校、信頼できる友人、家族に協力してもらい、実際に声に出して話す練習を重ねましょう。
特に、冒頭のプレゼンテーションは、30秒で考えをまとめ、2分間で発表するという短い制限時間の中で、論理的に構成し、簡潔に分かりやすく話す訓練が重要です。
録音・録画をして自身の話し方や表情を確認することも、客観的な改善に繋がります。
今回は個人面接の対策に絞ってお伝えしましたが、他の面接試験も含めた総合的な対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:自信を持って秋田の教育を語ろう!
秋田県教員採用試験の面接では、教育への情熱はもちろん、論理的な思考力、コミュニケーション能力、そして組織の一員としての自覚が問われます。
秋田県が掲げる「ふるさとを愛し、社会を支える自覚と高い志にあふれる人づくり」という教育の目指す姿や、「教育者としての強い使命感と高い倫理観」といった「求める教師像」を深く理解し、自身の教育観と結びつけて語ることが重要です。
この記事で紹介したポイントを参考に、しっかりと準備を進めてください。特に、冒頭のプレゼンテーション練習や、秋田県の教育施策に関する情報収集は、自信を持って面接に臨むために不可欠です。
面接は、あなたの熱意と秋田の教育への貢献意欲を面接官に伝える絶好の機会です。
もし、「もっと多くの過去問や回答例を見てみたい」「自分の回答を添削してほしい」と感じたら、一歩踏み込んだ対策を取り入れるのも非常に有効です。
あなたの想いを面接官に届け、秋田の子どもたちの未来を共に創っていくために、最後まで諦めずに頑張りましょう。応援しています!
