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徳島県教員採用試験の論文審査とは?過去のテーマと模範解答を解説

徳島県教員採用試験の小論文

徳島県教員採用試験(通称:徳島県教採)の論文審査について解説します。

  • 徳島県教採の論文審査は何文字くらいなの?
  • 徳島県教採の論文審査テーマは?
  • 徳島県教採の論文審査の模範解答は?

このような悩みや不安をお持ちなのではないでしょうか。

徳島県教採の論文審査は、ただテーマに沿って文章をダラダラ書くだけでは評価されないのです。

正しい型や評価ポイントを知らずに対策しても、合格は勝ち取れません。

そこで本記事では、徳島県教員採用試験の論文審査について以下の3点を解説します。

この記事でわかること
  • 論文審査の内容(試験時間、文字数、評価基準)
  • 過去5年分の出題テーマ
  • テーマの解説と模範解答例

この記事に書かれていることを実践すれば、あなたの論文審査への不安は自信に変わりますよ。

福永

福永です。Xnoteでも有益な情報を発信しています!


小論文の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。

目次

【徳島県教採】論文審査の内容

徳島県教員採用試験における論文審査の内容を簡単に説明します。

概要は次のとおりです。

実施日第1次試験
試験時間80分
文字数800字
問題数1題
配点100点満点
令和8年度(2025年実施)の概要

文字数は制限があり、800字以内で書かなければなりません。

対する試験時間は80分なので、文字数に対する試験時間が極めて短いのが徳島県の特徴です。

評価の観点

論文審査は、「内容」と「構成」の観点から評価・採点されます。

評価の観11:内容

  • 教職に対する強い意欲が読み取れるか
  • 教職にふさわしい資質や能力が伺えるか
  • 自分の考えや方策が備わった説得力のある論文となっているか。
  • 学習指導要領のねらいや現在の教育課題が示されているか。
  • 組織の一員として協働・連携して、責任を果たそうとする姿勢が示されているか

評価の観点2:構成

  • 段落の構成にも配慮し、わかりやすい文章構成となっているか。
  • 文法上、乱れはないか。
  • 句読点の使い方は正しいか。
  • 誤字、あて字、送り仮名の誤りはないか。
  • 原稿用紙の正しい使い方になっているか。

最終的に100点満点で評価しますが、著しく評価が低いと即不合格です。

評価が悪くなる理由としては、テーマの把握ができていなかったり、文字数が少ない(625字以下)だったりすることが挙げられます。また、字が汚い(丁寧であればOK)、誤字脱字が多いっていうのもよくないので、注意しながら書きましょう。

【徳島県教採】論文審査の過去問

徳島県教員採用試験における論文審査の過去問を紹介します。

令和7年度(2024年実施)

徳島県教育大綱(令和6年3月)では、基本方針として「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人材』の育成」が掲げられています。このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践に挑戦しますか。具体的に述べなさい。

令和6年度(2023年実施)

あなたは、児童生徒や保護者から「信頼される教師」とはどのような教師だと考えますか。また、そのような教師になるために自分の強みを生かして、どのような教育実践に取り組みますか。具体的に述べなさい。

令和5年度(2022年実施)

あなたは、「協働力」を、どのように捉え、その力を新任教員としてどう発揮していきますか。具体的に述べなさい。

令和4年度(2021年実施)

あなたは、子どもたちが生きるこれからの社会をどのように捉えていますか。また、その社会を生き抜いていく子どもたちには、どんな力が必要になると考えますか。さらに、その力を育むために、どのような教育実践をしますか。具体的に述べなさい。

令和3年度(2020年実施)

徳島教育大綱(令和元年8月)では、基本方針として「未知の世界に果敢に挑戦する、夢と志あふれる『人財』の育成」があげられています。このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践をしますか。具体的に述べなさい。


▼過去のテーマは以下の記事でもまとめています。

【徳島県教採】論文審査の模範解答例

ここでは、令和7年度徳島県教員採用試験の論文審査を、どんな構成で書けば合格点がもらえるのか、模範解答例を紹介します。

徳島県教育大綱(令和6年3月)では、基本方針として「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人材』の育成」が掲げられています。このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践に挑戦しますか。具体的に述べなさい。

テーマの解説

本テーマは、徳島県の教育の最上位計画である「徳島教育大綱」の基本方針を正確に理解した上で、自身の教育観と具体的な実践を結びつけて論述する能力を問うものです。

大綱が掲げる「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人材』」とは、単に学力が高いだけでなく、一人ひとりの多様な可能性を伸ばし(個性)、グローバルな視野を持ち(国際性)、自らの目標に向かって主体的に挑戦できる(夢と志)人物像を指します。

したがって、論文審査では、これらの要素をどのように捉え、子どもたちに育んでいくのかを、自身の具体的な教育実践計画を通して説得力をもって示す必要があります。

大綱の重点項目である「未来を拓く力を育む教育」や「地域・家庭・学校が連携し、協働する教育」などを意識し、徳島の地域性も踏まえながら、独創的かつ実現可能な方策を述べることが高評価につながります。

文章構成の解説

STEP
序論(第一段落)

まず、徳島県教育大綱の基本方針が、変化の激しい時代を生きる子どもたちにとって重要であるという認識を示します。

その上で、基本方針の「個性」「国際性」「夢と志」というキーワードを自身の言葉で解釈し、これから論じる教育実践の方向性(結論)を明確に提示します。

「私は、子どもたちが地域の魅力に誇りを持ち、世界の人々と協働しながら新たな価値を創造する力を育む教育実践に挑戦したい。」

のように、自身の目指す教育の姿を最初に述べることが効果的です。

STEP
本論1(第二段落):『個性』と『夢・志』を育む実践

序論で示した方向性を具体化します。

ここでは「個性」と「夢・志」を育む実践として、徳島の豊かな地域資源(自然、文化、産業など)を活用した「探究的な学習」を題材にするといいでしょう。

たとえば、子どもが自ら地域課題を発見し、解決策を探るプロジェクト型学習(PBL)を取り上げます。

この活動を通して、子どもたちが自分の興味・関心に基づいて主体的に学び、試行錯誤の中で自身の強みや可能性(個性)に気づき、将来の夢や志へとつなげていくプロセスを具体的に記述するのです。

STEP
本論2(第三段落):『国際性』を育む実践と連携

次に「国際性」を育む実践について述べ、本論1で挙げた探究的な学習を、GIGAスクール構想で整備されたICT環境を活用して発展させます。

たとえば、探究活動でまとめた徳島の魅力を、海外の学校とオンラインで交流しながら英語で発信する活動です。

これにより、語学力だけでなく、多様な文化や価値観を尊重し、協働する態度を育成できることを示します。また、この実践には、他の教員や地域の人々、国際交流員などとの連携・協働が不可欠であることを述べ、組織の一員としての姿勢も示します。

STEP
結論(第四段落)

本論で述べた具体的な実践を要約し、それらが徳島教育大綱の基本方針である「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人材』の育成」にどう結びつくのかを改めて強調します。

そして、これらの実践を通して、子どもたちが徳島で学ぶことに誇りを持ち、未来社会の創り手として力強く羽ばたけるよう、教員として情熱と責任をもって職務を全うする決意を力強く述べて締めくくります。

模範解答例

 変化が激しく予測困難な社会において、子どもたちが未来を切り拓くためには、徳島県教育大綱が掲げる「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人材』」の育成が不可欠である。私は、子どもたちが徳島の豊かな風土に根ざしながら、世界へと視野を広げ、多様な人々と協働して新たな価値を創造する力を育む教育実践に挑戦したい。

 そのために、まず徳島の地域資源を活かした探究的な学習を核とした実践に取り組む。例えば、「『あわ文化』の魅力を世界に発信する」というテーマを設定し、子どもたちが自ら課題を見つけ、グループで調査・研究を進める活動を展開する。藍染めの歴史や技法、阿波おどりの精神性などを学ぶ中で、子どもたちは郷土への誇りを深める。この活動において、私は子ども一人ひとりの興味や関心、得意なことといった「個性」が輝くよう、多様な役割を準備し、それぞれの挑戦を支援する。この主体的な学びが、自らの可能性に気づき、将来への「夢と志」を育む土壌となると確信する。

 次に、この探究活動を国際的な学びへと発展させる。GIGAスクール構想で整備されたICT環境を最大限に活用し、海外の学校とオンラインで繋がる。子どもたちが探究の成果を英語で発信し、相手国の文化や社会について学ぶ交流活動を企画する。この異文化理解と協働の経験は、単なる語学力を超えた真の「国際性」を育む。この実践には、ALTや地域の国際交流員、そして他の教職員との密な連携が不可欠であり、チームの一員として積極的に働きかけていく。

 私は、こうした地域に根ざした探究と世界と繋がる協働の学びを通して、子どもたちが自らの個性を発揮し、夢と志を抱き、国際社会の一員としてたくましく生きる力を育むことができると信じている。徳島県の教員として、その責任と情熱を胸に、未来の創り手である子どもたちの育成に全力を尽くす所存である。


▼他年度や養護教諭の模範解答例は以下の記事で解説しています。

【徳島県教採】論文審査の対策方法5ステップ

徳島県教員採用試験の論文審査は、「80分で800字」という非常に厳しい試験です。

ここでは、合格答案を目指すための最も効率的な「5つのステップ」を紹介します。

ステップ①:課題の意図を正確に把握する

まず、出題者が「何を書かせたいか」(題意)を正確につかみましょう 。  

課題の把握を誤ると、どんなに立派な文章でも評価されないからです 。  

具体的には、過去の出題テーマを分析します。

あわせて「徳島県教育大綱」も読み込みましょう。県が求める教師像を理解することが、的確な合格答案の土台になります。  

ステップ②:主題を決め、構成メモを作る

次に、答案の核となる「主題(最も伝えたい結論)」を一つに決めます 。  

800字で説得力を持たせるには、論点を絞る必要があるからです 。  

試験が始まったら、最初の5〜10分で「序論・本論・結論」の簡単なメモ(構成案)を作ります 。

このメモが、時間内に書ききるための「構成図」になります。いきなり書き始めないようにしてくださいね。  

ステップ③:教師の視点で執筆する

構成メモに従い、本文を執筆します 。  

この試験は、評論家ではなく「教師としての視点」が求められるからです 。あなたの熱意や人間性も評価対象です 。  

本論では、教育実習などの「自分の体験」を具体例として使いましょう。ただし、体験談自体が目的ではないので、簡潔に書くのがコツです。

ステップ④:必ず推敲する

書き終えたら、試験終了までの残り5分で必ず文章を読み返します 。  

誤字脱字や原稿用紙の使い方のミスは、減点対象になるからです 。  

最低でも、以下の3点はチェックしましょう。

  1. 誤字、脱字はないか  
  2. 字数は最低8割(640字)以上か  
  3. 課題の意図(題意)からズレていないか  

ステップ⑤:第三者の添削を受ける

練習で書いた答案は、必ず第三者に添削してもらいます 。  

自分の文章の癖や、独りよがりな考えには気づきにくいものです 。  

大学の教授や学校の先生など、教採をよく知る人にお願いするのが理想です。 客観的な視点をもらうことが、合格への一番の近道ですね。


▼より具体的な書き方は以下の記事をご覧ください。

まとめ|【徳島県教採】で落ちないために

今回は、徳島県教員採用試験における論文審査の傾向と過去のテーマをまとめていました。

教員採用試験の小論文は、やるべきことが想像しているよりも多いです。

過去問を眺めるだけでは、論文審査を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、その上で添削を受けることで徐々に上達します。

論文審査で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じなので注意しましょう。

論文審査が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めてください。


もし一人での対策に困ったり、不安を感じたりしたときは、遠慮なく僕を頼ってほしいです。あなたが合格できるよう、全力でサポートします!

小論文の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。

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