教員採用試験は難しいんだってさ!
こんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか?もしかしたら逆に、『教員採用試験は簡単!』と思っている方もいるかもしれません。
結論を先にいうと、教員採用試験自体の難易度は高くありません。
合格者の出身大学を見ても東大卒の人もいれば偏差値40台の私大や短大卒など幅広い学歴の人がいますし、筆記試験のレベルを見ても大学共通テスト(旧:センター試験)より簡単なので、勉強をしっかりすれば全く歯が立たないなんてことはありません。
とはいえ、「勉強ができるだけでは合格できない」ってところが教員採用試験が難しいと言われる理由なんですね。
そこで今回は、教員採用試験が難しいと言われる理由を深堀して解説していきます。合格に近づくための対策方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
さっそく、見ていきましょう。
【難易度】教員採用試験は難しい?
結論から言うと、教員採用試験は難しいです。
その理由は次のとおり。
選考方法は相対評価(競争試験)
教員採用試験は英語検定や漢字検定のような絶対評価の試験ではなく、成績順に合格者が決まる相対評価の試験です。
自動車運転免許のように9割取れれば全員合格できる試験とは違い、9割を取ったとしても合格できる人数は決まっているので、必ず合格できるとは限らないのです。
また、教員採用試験の合格ラインは受験者や採用数によって変動する点も難しいといえるでしょう。
極端な話、6割の成績で合格できる年度もあれば、8割あっても不合格ってこともあるわけです。
膨大な試験科目=多くの勉強時間が必要
教員採用試験は試験内容が幅広いです。教員になるための試験(=就職試験)なので、筆記試験だけでなく人物面に関する試験もあります。
たとえば筆記試験は、志望教科の学力を図る専門教養や高校までの基礎知識を確かめる一般教養があります。人物試験は個人面接や模擬授業、集団討論など幅広いです。
筆記試験 | 教職教養 |
---|---|
一般教養 | |
専門教養 | |
小論文 | |
人物試験 | 個人・集団面接 |
グループワーク(集団討論) | |
模擬授業 | |
場面指導 |
これだけの試験対策をしないといけません。つまり、多くの勉強時間が必要です。
仕事や学業と両立しながら対策するので、簡単ではありません。
筆記試験よりも面接試験が重要
教員採用試験では、一次試験に筆記試験を行って受験者を篩にかけ、二次試験の面接や論文で最終合格者を決定する二段階選抜式を採用しています。
どの自治体も人物重視の傾向が強く、どれだけ筆記で高得点を取ったとしても、面接がダメだったら即不合格です。
「選考方法は相対評価(競争試験)」でも触れましたが、面接は筆記試験以上に基準が不透明(人が人を評価する)なので、対策に苦労する人がとても多いです。
試験勉強=筆記対策となりがちですが、面接や論文にこそ時間を割くべきと言えるでしょう。
教員採用試験の倍率は低いです。2024(令和6)年度の全国平均は3.0倍で、過去最低となっています。
なので、倍率だけで難易度を決めるのであれば、教員採用試験はそんなに難しいとは言えないでしょう。しかし…、倍率1.5倍でも、周りのライバルが東大生ばかりだったら、勝てる気がしないですよね。
教員採用試験の難易度を下げる対策方法
教員採用試験は難しい理由を解説しましたが、少しでも難易度を下げるための対策方法を5つ解説します。
試験内容を知る
まずは、教員採用試験の内容を知りましょう。
なぜなら、試験内容は志望する自治体によって異なるからです。
たとえば、東京都の試験内容は、教職教養、専門教養、小論文、個人面接、実技試験です。一方で、神奈川県の試験内容は、教職教養、一般教養、専門教養、小論文、個人面接、模擬授業、実技試験が実施されます。
試験内容 | 東京都 | 神奈川県 |
---|---|---|
教職教養 | ||
一般教養 | ||
専門教養 | ||
小論文 | ||
個人面接 | ||
模擬授業 | ||
実技試験 |
試験内容を知らないと、何から対策すればいいかわからないですよね。
しっかりと実施要項を読み、試験内容を把握しましょう。
勉強スケジュールを組む
志望する自治体の試験内容を確認できたら、どの試験科目から対策するのか、具体的な勉強スケジュールを組んでみましょう。
試験日から逆算し、スケジュールを細かく組んでいけば、効率よく進めることが可能です。
なお、スケジュールを作成する際は、月ごとの大まかなスケジュールではなく、日や週など細かく設定しましょう。細かく予定を立てれば勉強の進み具合も確認できるので、学習スピードも調整しやすくなります。
筆記試験は効率よく勉強する
筆記試験(教職教養、一般教養、専門教養)は、効率よく勉強しましょう。
なぜなら、教員採用試験は出題範囲が広いため、すべてを網羅するには膨大な時間が必要だからです。効率よく勉強を進めたいなら、最初に過去問分析をすることをオススメします。
どの科目・分野が多いのかわかれば、その科目・分野から取り組めますよね。反対にまったく出ない科目・分野を勉強するリスクも減らせるので、必ず傾向は把握してくださいね。
人物試験は早めに準備を始める
人物試験(面接、模擬授業、実技試験)は早めに対策を行うことがポイントです。
その理由は、教員採用試験は人物重視の傾向が強いから。つまり、筆記試験で高得点が取れても、人物試験の結果で差がひっくり返る可能性が高いです。
また、自治体によっては、一次試験(筆記試験)結果を最終合否に加味しない場合もあるのです。
自治体(神奈川県や兵庫県など)によっては、筆記試験の結果を反映させないリセット方式を採用していることも・・・。
試験勉強=筆記対策となりがちですが、人物試験の対策も早めに始めることが大切と言えるでしょう。
スキマ時間を有効活用する
最後にこれを伝えておかなければいけません。教員採用試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。
じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。
たとえば1回20分のスキマ時間でも、1年で7,300分(約120時間)になります。
これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも2~3割ぐらいの勉強ができてしまうのです。
教員採用試験の難易度は高くないが簡単ではない
今回は、教員採用試験の難易度を徹底解説しました。
繰り返しになりますが、教員採用試験自体の難易度は高くありません。倍率は過去最低を更新し続けていますし、筆記試験のレベルを見ても大学共通テスト(旧:センター試験)より簡単だからです。
とはいえ、試験内容は幅広く、多くの勉強時間がかかる上に、人物重視の選考方針のため、努力がそのまま合格に直結しない難しい試験と言えるでしょう。
少しでも合格に近づくには、次の5つを理解し、対策することが重要です。
やれることから少しずつでいいので、始めてみましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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