教員採用試験の過去問は、効率的な勉強に必要不可欠なツールです。
教員採用試験の過去問をダウンロードし、一刻でも早く勉強の準備を進めていきたいと思っているのでは?
結論から言えば、教員採用試験の過去問がダウンロードできるのは一部の自治体だけです。
この記事では、自治体ごとに過去問の公開状況を詳しくまとめています。過去問の入手方法や活用方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
【教員採用試験】過去問はダウンロードできる?
結論から言うと、教員採用試験の過去問は一部の自治体のみホームページからダウンロード可能です。
教員採用試験の過去問がダウンロードできる自治体と公開状況は次のとおり。
【教員採用試験】過去問がダウンロードできる自治体
- 筆記試験(教職教養・一般教養、専門教養)の公開状況をまとめています。
- 青文字をタップすると詳細や入手方法を確認できます。
【教員採用試験】過去問の入手方法
教員採用試験の過去問を入手する方法(有料・無料)を5つ紹介します。
過去問の入手方法①|先輩から頂戴する
アナログかつ力技に近いですが、教員採用試験に合格した先輩や同僚がいれば過去問をもらいましょう。
品質が悪かったり、書き込みがあったりはするかもですが志望先の過去問は分析できればOKです。それを使って勉強するわけではありません。
無料でもらえる可能性が高いので、教員採用試験を受験する先輩や同僚がいたら早めに根回ししておきましょう。
過去問の入手方法②|情報センター等
どの自治体も県庁や市役所の情報センター等で過去問の閲覧・コピーができます。
早ければ、試験が行われてから1週間程度で閲覧・コピーできる自治体もあります。また、著作権の関係でネット上に掲載できない問題(国語の現代文や芸術科目の作品など)も、コピーであれば可能な場合もあります。
情報センター等に足を運ぶ必要はありますが、近くに行く機会があれば利用してみましょう。
過去問の入手方法③|過去問シリーズ
教員採用試験「過去問」シリーズは、協同出版が手掛ける書籍で大学受験でいうところの「赤本」です。
北海道から沖縄まで、全自治体の教職・一般教養や数多くの専門科目を幅広くカバーしています。
問題と解答だけでなく、解説や出題分析データも掲載されているので、勉強の導入として十分に活用可能な1冊です。Amazon等ではよく在庫切れになっているため、書店等で見つけたら即購入するのをオススメします。
過去問の入手方法④|note
過去問を集約したnoteを配信しています。
教科別にさまざまな自治体の問題と解答が使い放題なので、勉強の初めにも、総仕上げにも活用可能です。
志望先の過去問だけ勉強しても意味がありません。志望先の過去問で出題傾向を理解し、その出題範囲や周辺知識を他自治体の過去問で覚えていくのが勉強です。
過去問をたくさん解きたい方や少しでも専門知識を増やしたい方にオススメしたい1冊です。
過去問の入手方法⑤|ホームページからダウンロード
自治体によっては、ホームページに過去問を公開していることがあります。問題と解答はPDFデータなので、ダウンロードすれば費用はかかりません。
掲載年度が少ない、解説がないといったデメリットはありますが、出題形式やレベルの把握は十分にできます。
過去問は勉強戦略を考えるうえでも重要なツールです。はやめに入手して準備をはじめましょう。
- 過去問の公開状況はこちら。
【教員採用試験】過去問の効果的な活用方法
教員採用試験の過去問を有効的に活用すれば、さまざまな恩恵を受けることが可能です。
過去問の活用方法①|何から勉強すればいいかわかる
先日、こういったツイートをしました。
勉強は「引越し作業」に似ています。引っ越すときに、「必要な物」と「不要な物」を仕分けますよね。勉強も同じです。
教科にもよりますがボーダーラインは6〜7割なので、受かるために全科目の勉強は必要ありません。過去問を活用して、出題範囲を絞ることで、「必要な科目=やるべき科目」を知ることができますよ!
点数が取れない(落ちる)人ほど、律儀に最初から最後まで勉強する傾向があります。出ない科目・分野に時間を使っても無駄です。
過去問の活用方法②|出題パターンを把握する
出題形式や出題範囲は自治体ごとに傾向やパターンがあります。
それを知らずに勉強を進めても無駄に時間を消費するだけでなく、効果的な勉強計画が立てられません。そこで過去問を使えば、「どこから勉強すれば効率的なのか」を知ることができます。
教職教養の教育原理を例にすると、青森県では生徒指導や学習指導要領が頻出です。
その一方で、宮城県では特別支援教育や学校と学級の運営が頻出となっています。
このように最初から過去問を使い傾向を把握しておけば、全範囲を勉強しなくても、効果的に点数を取ることができます。
出題範囲の理解=コスパ最強
たとえば教育原理(全13分野)を勉強するのに、1分野10時間をかけたとすれば、一通り終わらせるのに130時間かかります。
当然、1回やっただけでは覚えられないため3回繰り返すと単純計算で390時間必要です。他にも試験科目はあるので、このペースでは試験までに終わりません。
一方で、過去問を上手に活用し、出題範囲を理解した上で勉強すると、頻出分野だけで点数が取れる効率的な勉強が可能です。上述の青森県で考えれば、30時間×3回=90時間って感じですよ。
学習指導要領と生徒指導、教育時事だけ勉強すれば点が取れそうですね!
試験科目は多いですし、面接や小論文などの対策もしなければいけないため、無駄な時間は使わないようにしましょう。
自治体別の出題範囲は下記記事でまとめています。
過去問の活用方法③|問題集として使う
志望先の過去問だけでなく、他自治体の過去問を問題集として活用することで、より広範な知識や問題形式に対応できる力を養うことができます。
たとえば2024年度北海道教員採用試験では、「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策(答申)」に関する出題がありました。
志望先の過去問だけの知識では、過去に同じような問題が出ていないため、この問題を解くことはできません。
しかし、他自治体の過去問をしっかり解いていれば、この問題の正答率は格段に上がったことでしょう。同じような問題が2022年度滋賀県で出題されています。
他自治体の過去問を解くことで、このような共通問題に対する対応力を高めることができます。
「志望先以外の過去問も使う」というのは、こういうことです。とくに、最新の教育時事や出題頻度の低い分野を志望先の過去問だけでカバーするのは限界があります。
他自治体の過去問を問題集代わりにして勉強することはとても有効なので、ぜひ活用しましょう。
【教員採用試験】過去問は最初と最後に使うことが大切
教員採用試験の過去問は、「志望先」と「それ以外(全国)」の2つあります。
志望先の過去問は最初に使います。
志望先の過去問は勉強するものではなく、出題傾向を理解するためのツールです。志望先の過去問をどれだけ繰り返し勉強しても意味はありません。
そして、それ(志望先)以外の過去問は最後に、頻出分野の知識定着および周辺知識の底上げのために使います。
似た形式や内容の問題が異なる自治体でも出題されることはよくあります。他自治体の過去問を解くことで、このような共通問題に対する対応力を高めることができます。
志望先の過去問を何度も繰り返すのではなく、出題傾向を理解し、その出題範囲や周辺知識を他自治体の過去問で覚えていくのが勉強です。
過去問に限らず、目的を決めて参考書や問題集を使うのはとても大事なポイントです。何となく使って時間や労力を消費しないようにしてください。
今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。